DHCP
読み方 : ディーエイチシーピー
フルスペル : Dynamic Host
Configuration Protocol
インターネットに一時的に接続するコンピュータに、IPアドレスなど必要な情報を自動的に割り当てるプロトコル。DHCPサーバには、ゲートウェイサーバやDNSサーバのIPアドレスや、サブネットマスク、クライアントに割り当ててもよいIPアドレスの範囲などが設定されており、ダイヤルアップなどの手段を使ってアクセスしてきたコンピュータにこれらの情報を提供する。クライアントが通信を終えると自動的にアドレスを回収し、他のコンピュータに割り当てる。DHCPを使うとネットワークの設定に詳しくないユーザでも簡単にインターネットに接続することができ、また、ネットワーク管理者は多くのクライアントを容易に一元管理することができる。
DNS
読み方 : ディーエヌエス
フルスペル : Domain Name
System
インターネット上のホスト名とIPアドレスを対応させるシステム。全世界のDNSサーバが協調して動作する分散型データベースである。IPアドレスをもとにホスト名を求めたり、その逆を求めたりすることができる。
各DNSサーバは自分の管理するドメインについての情報を持っており、世界で約10台運用されているルートサーバにドメイン名と自分のアドレスを登録しておく。
リゾルバと呼ばれるクライアントプログラムは、調べたいドメイン名(またはIPアドレス)をまずルートサーバに照会し、そのドメインを管理するDNSサーバを調べ、そのDNSサーバに情報を聞き出すことで変換を行なう。
インターネット上で運用されているDNSサーバのほとんどは、カリフォルニア大学バークリー校(UCB)で開発されたBINDである。
HTTP
読み方 : エイチティーティーピー
フルスペル : HyperText
Transfer Protocol
Webサーバとクライアント(Webブラウザなど)がデータを送受信するのに使われるプロトコル。HTML文書や、文書に関連付けられている画像、音声、動画などのファイルを、表現形式などの情報を含めてやり取りできる。IETFによって、HTTP/1.0はRFC
1945として、HTTP/1.1はRFC 2616として規格化されている。
IP
読み方 : アイピー
フルスペル : Internet
Protocol
米国防総省のネットワークプロジェクトで開発されたプロトコル。
OSI基本参照モデルの第3層(ネットワーク層)に位置し、ネットワークに参加している機器の住所付け(アドレッシング)や、相互に接続された複数のネットワーク内での通信経路の選定(ルーティング)をするための方法を定義している。
コネクションレス型のプロトコルであるため、確実にデータが届くことを保証するためには、上位層のTCPを併用する必要がある。
UNIXの標準プロトコルとなったことから急速に普及が進み、現在世界でもっとも普及している。IPによって世界模で相互に接続された巨大なコンピュータネットワークをインターネットと呼ぶ。
IPv4
読み方 : アイピーブイヨン、アイピーブイフォー
フルスペル : Internet
Protocol Version 4
現在のインターネットで利用されているインターネットプロトコル(IP)。アドレス資源を32ビットで管理しているため、識別できるコンピュータの最大数は42億9496万7296台である。しかし、近年のインターネットの急速な普及により、アドレス資源の枯渇が予想以上に早く生じるとの危惧が関係者の間に高まり、128ビットでアドレスを管理するIPv6が開発された。
IPv6
読み方 : アイピーブイロク、アイピーブイシックス
フルスペル : Internet
Protocol Version 6
アドレス資源の枯渇が心配される現行のインターネットプロトコル(IP)IPv4をベースに、管理できるアドレス空間の増大、セキュリティ機能の追加、優先度に応じたデータの送信などの改良を施した次世代インターネットプロトコル。
IPアドレス 【IP address】
読み方 : アイピーアドレス
フルスペル : Internet
Protocol Address
インターネットやイントラネットなどのIPネットワークに接続されたコンピュータや通信機器1台1台に割り振られた識別番号。インターネット上ではこの数値に重複があってはならないため、割り当てなどの管理は各国のNIC(ネットワークインフォメーションセンター)が行なっている。
現在広く普及しているIPv4では、8ビットずつ4つに区切られた32ビットの数値が使われており、「211.9.36.148」などのように、0から255までの10進数の数字を4つ並べて表現する。
単なる数値の羅列であるIPアドレスはこのままでは人間にとっては覚えにくいため、コンピュータに名前(ドメイン名)がつけられている場合もあり、DNSというシステムによってIPアドレスとの相互変換が可能となっている。
現在のIPv4では約42億台までしかインターネットに接続することができず、アドレスが足りなくなることが懸念されており、IPv4に代わる次世代のIPv6の標準化が進行している。IPv6では128ビットのアドレスが使われるため、当分アドレスが足りなくなる心配はない。
IPマスカレード 【NAPT】
読み方 : アイピーマスカレード
別名 : Network Address Port Translation, IP masquerade
インターネットに接続された企業などで、一つのグローバルなIPアドレスを複数のコンピュータで共有する技術。組織内でのみ通用するIPアドレス(ローカルアドレス)と、インターネット上のアドレス(グローバルアドレス)を透過的に相互変換することにより実現される。
NATと異なりTCP/UDPのポート番号まで動的に変換されるため、一つのグローバルアドレスで複数のマシンから同時に接続することが可能である。ただし、ポート番号の変換が行なわれるため、インターネット側から内部のマシンに接続を開始するような使い方はできず、ICMPも利用できないなどの制限がある。最近のブロードバンドルータなどではこうした制限を緩和するための独自の実装を行なっているものもある。
もともと「NAPT」が技術の名称で、「IPマスカレード」はLinuxにおけるNAPTの実装のことだったが、現在では両者が混同されている例が多く見られる。また、ブロードバンドルータのスペック表などではNAPTの意味で「NAT機能搭載」と表記していることもある。
MACアドレス
読み方 : マックアドレス
フルスペル : Media Access Control address
別名 : マックアドレス
各Ethernetカードに固有のID番号。全世界のEthernetカードには1枚1枚固有の番号が割り当てられており、これを元にカード間のデータの送受信が行われる。IEEEが管理・割り当てをしている各メーカーごとに固有な番号と、メーカーが独自に各カードに割り当てる番号の組み合わせによって表される。
MTU
読み方 : エムティーユー
フルスペル : Maximum
Transmission Unit
通信ネットワークにおいて、1回の転送で送信できるデータの最大値を示す値。送信する側が接続ごとに値を設定できる。送信側ホストが受信側ホストより大きいMTUを持っていた場合は、送信側が受信側のMTUに従ってデータを再分割して送信する。エラーデータの再送信はMTUに指定されたサイズを単位として行われるため、劣悪な通信環境ではMTUを小さい値に設定した方が転送速度が速くなり、逆に安定した通信環境では制御信号が少なくなる分MTUの大きい方が転送速度が速くなる。MTUの単位はバイトで、Ethernetでは1500程度、電話回線によるダイヤルアップ接続では576程度が最適とされる。
NAT
読み方 : ナット
フルスペル : Network
Address Translation
インターネットに接続された企業などで、一つのグローバルなIPアドレスを複数のコンピュータで共有する技術。組織内でのみ通用するIPアドレス(ローカルアドレス)と、インターネット上のアドレス(グローバルアドレス)を透過的に相互変換することにより実現される。最近不足がちなグローバルIPアドレスを節約できるが、一部のアプリケーションソフトが正常に動作しなくなるなどの制約がある。
OSI参照モデル 【OSI reference model】
読み方 : オーエスアイさんしょうモデル
別名 : OSI基本参照モデル,
OSI階層モデル, OSI layer
model, OSI basic reference model
国際標準化機構(ISO)により制定された、異機種間のデータ通信を実現するためのネットワーク構造の設計方針「OSI(Open Systems
Interconnection)」に基づき、コンピュータの持つべき通信機能を階層構造に分割したモデル。「OSI基本参照モデル」「OSI階層モデル」とも呼ばれる。通信機能を7階層に分け、各層ごとに標準的な機能モジュールを定義している。
第1層(物理層)は、データを通信回線に送出するための電気的な変換や機械的な作業を受け持つ。ピンの形状やケーブルの特性なども第1層で定められる。
第2層(データリンク層)は、通信相手との物理的な通信路を確保し、通信路を流れるデータのエラー検出などを行なう。
第3層(ネットワーク層)は、相手までデータを届けるための通信経路の選択や、通信経路内のアドレス(住所)の管理を行なう。
第4層(トランスポート層)は、相手まで確実に効率よくデータを届けるためのデータ圧縮や誤り訂正、再送制御などを行なう。
第5層(セッション層)は、通信プログラム同士がデータの送受信を行なうための仮想的な経路(コネクション)の確立や解放を行なう。
第6層(プレゼンテーション層)は、第5層から受け取ったデータをユーザが分かりやすい形式に変換したり、第7層から送られてくるデータを通信に適した形式に変換したりする。
第7層(アプリケーション層)は、データ通信を利用した様々なサービスを人間や他のプログラムに提供する。
POP 【POP3】
読み方 : ポップ
フルスペル : Post Office
Protocol
インターネットやイントラネット上で、電子メールを保存しているサーバからメールを受信するためのプロトコル。現在最も広く普及している。電子メールの送信に使われるSMTPとセットで利用される。ユーザがタイトルや発信者を確認する前に、クライアントが全メールを受信してしまうため、発信者やタイトルの一覧を見てから受信するかどうか決められるIMAPをPOPの代わりに利用する場合もある。POPを使うとパスワードがネットワーク上をそのまま流れるため、通信途中で盗まれるかもしれないという危険性がある。この弱点を改善し、パスワードのやり取りを暗号化したものをAPOPという。
SMTP
読み方 : エスエムティーピー
フルスペル : Simple Mail
Transfer Protocol
インターネットやイントラネットで電子メールを送信するためのプロトコル。サーバ間でメールのやり取りをしたり、クライアントがサーバにメールを送信する際に用いられる。
SSL
読み方 : エスエスエル
フルスペル : Secure Socket
Layer
Netscape Communications社が開発した、インターネット上で情報を暗号化して送受信するプロトコル。現在インターネットで広く使われているWWWやFTPなどのデータを暗号化し、プライバシーに関わる情報やクレジットカード番号、企業秘密などを安全に送受信することができる。
SSLは公開鍵暗号や秘密鍵暗号、デジタル証明書、ハッシュ関数などのセキュリティ技術を組み合わせ、データの盗聴や改ざん、なりすましを防ぐことができる。OSI参照モデルではセッション層(第5層)とトランスポート層(第4層)の境界で動作し、HTTPやFTPなどの上位のプロトコルを利用するアプリケーションソフトからは、特に意識することなく透過的に利用することができる。SSL 3.0をもとに若干の改良が加えられたTLS 1.0がRFC 2246としてIETFで標準化されている。
TCP/IP
読み方 : ティーシーピーアイピー
フルスペル : Transmission Control Protocol/Internet Protocol
インターネットやイントラネットで標準的に使われるプロトコル。米国防総省が、核攻撃で部分的に破壊されても全体が停止することのないコンピュータネットワークを開発する過程で生まれた。
UNIXに標準で実装されたため急速に普及し、現在世界で最も普及している。OSI参照モデルではIPが第3層(ネットワーク層)、TCPが第4層(トランスポート層)にあたり、HTTPやFTPなどの基盤となるプロトコルである。
TTL
読み方 : ティーティーエル
フルスペル : Transistor-Transistor
Logic
バイポーラトランジスタのみで構成された論理集積回路(ロジックIC)のこと。TTL登場前に使われていたDTL(Diode-Transistor Logic)と区別するため、このような名称になった。
1964年にTexas Instruments社(TI)が開発した7400シリーズがTTLの始まりで、その後多くの派生製品を産んだ。現在では多くの企業がTIと同仕様の製品を同様の型番で販売している。
TTLはCMOSと並んでデジタルICの構成回路としてはもっともポピュラーなものの一つである。
UDP
読み方 : ユーディーピー
フルスペル : User Datagram
Protocol
インターネットで利用される標準プロトコルで、OSI参照モデルのトランスポート層にあたる。ネットワーク層のIPと、セション層以上のプロトコルの橋渡しをする。
インターネットでは、トランスポート層のプロトコルとしてTCPも使われるが、UDPは転送速度は高いが信頼性が低く、TCPは信頼性は高いが転送速度が低い。
VoIP
読み方 : ブイオーアイピー
フルスペル : Voice over
Internet Protocol
インターネットやイントラネットなどのTCP/IPネットワークを使って音声データを送受信する技術。社内LANを使った内線電話や、インターネット電話などに応用されている
WiBro
読み方 : ワイブロ
フルスペル : Wireless
Broadband
韓国で開発された高速無線通信技術。2005年12月にIEEE(国際電気電子学会)によって「Mobile WiMAX」(IEEE802.16e)規格の一部として標準化された。
2.3GHz帯の無線を使い、最大で下り20Mbps、上り6Mbpsで通信できる。固定無線技術のWiMAXを基盤に開発されたが、WiBroは移動時にも通信可能で、高速移動中でも下り数百kbpsの通信速度を確保できるとされている。このため、第4世代携帯電話(4G)が導入されるまでの「つなぎ」の高速移動通信技術として期待されている。
アップストリーム 【upstream】
読み方 : アップストリーム
通信回線を流れるデータのうち、下流の通信機器から上流の機器へ流れていくもの。サーバとクライアントの接続ではサーバ側が上流になるため、アップストリームはクライアント側が送信するデータになる。
インターネットのほとんどの用途では、アップストリームが使われるのは、サーバへのリクエスト送信などのごく少量のデータを送る場合である。このため、ADSL回線などはアップストリーム回線の通信速度を抑えてダウンストリーム(サーバ側が送信するデータ)回線の通信速度を確保している。ただし、テレビ電話などではクライアントからも大量のデータを送信するため、アップストリーム回線もそれなりの速度が必要になる。
ダウンストリーム 【downstream】
読み方 : ダウンストリーム
通信回線を流れるデータのうち、上流の通信機器から下流の機器へ流れていくもの。
例えば、プロバイダ経由でインターネットに接続している環境では、プロバイダ側(つまりインターネット)からパソコンに流れてくるデータがダウンストリームになる。
LAN環境ではネットワークサーバを上流、クライアントマシンを下流として扱い、サーバからクライアントに送られるデータがダウンストリームになる。
Webページの閲覧やストリーミング配信といった、インターネットのほとんどの用途では、サーバ側が送るデータがクライアント(パソコンなど)が送るデータに比べて非常に多くなる。
このような状況を踏まえて、56kbpsアナログモデムやADSL回線では、ダウンストリームの通信速度をアップストリーム(ダウンストリームとは逆に、クライアントからサーバに流すデータ)の通信速度より速くしている。
コンピュータ同士を接続する回線以外でもダウンストリームという言葉は使われることがある。その一例がUSBで、パソコンのインターフェースを最上流とし、パソコンから送信するデータがダウンストリームに、パソコンが受信するデータがアップストリームになる。
ゲートウェイ 【gateway】
読み方 : ゲートウェイ
ネットワーク上で、媒体やプロトコルが異なるデータを相互に変換して通信を可能にする機器。OSI参照モデルの全階層を認識し、通信媒体や伝送方式の違いを吸収して異機種間の接続を可能とする。
ソケット 【socket】
読み方 : ソケット
TCP/IPで通信を行なうコンピュータが持つネットワーク内での住所にあたるIPアドレスと、IPアドレスのサブ(補助)アドレスであるポート番号を組み合わせたネットワークアドレスのこと。
通常、TCP/IP通信においては、1つのIPアドレスは複数(通常は65536個)の「ポート」から構成され、他のIPアドレス上のポートと結合して、複数のアドレスと同時に通信できるようになっている。接続を行なう場合は必ずIPアドレスとポート番号の組を指定し、この組のことをソケットという。
1つのビル(IPアドレス)に複数の階(ポート)があり、どのビルのどの階かを指定して通信を行なうのがソケットであると言える。
ソケットには、通信を行なうアプリケーションソフトがTCP/IPを扱うための仮想的なインターフェースという意味もある。
アプリケーションソフトはアドレスとポートの組であるソケットを指定して回線を開くだけで、通信手順の詳細を気にすることなくデータの送受信を行なうことができる。
実際の通信はTCP/IPプロトコルスタックと呼ばれる共有ライブラリ(ソフトウェア部品)が担当する。
4.2BSDにTCP/IPが実装された時に用意された仕組みで、ネットワークを利用したプログラミングが格段に容易になった。この仕組みをWindowsに移植したものをWinsockという。
ノード 【node】
読み方 : ノード
ネットワークを構成する一つ一つの要素のこと。通信ネットワークではコンピュータやハブ、ルータなど一台一台の通信機器がノードに当たる。ノードとノードを結ぶ線はリンクという。
パケット 【packet】
読み方 : パケット
コンピュータ通信において、送信先のアドレスなどの制御情報を付加されたデータの小さなまとまりのこと。データをパケットに分割して送受信する通信方式をパケット通信と呼ぶ。データを多数のパケットに分割して送受信することにより、ある2地点間の通信に途中の回線が占有されることがなくなり、通信回線を効率良く利用することができる。また、柔軟に経路選択が行なえるため、一部に障害が出ても他の回線で代替できるという利点もある
パケット通信 【packet communication】
読み方 : パケットつうしん
分野 : ネットワーク技術 > ネットワーク制御
コンピュータ通信において、データを小さなまとまりに分割して一つ一つ送受信する通信方式。分割されたデータはパケットと呼ばれ、データのほかに送信先のアドレスや、自分がデータ全体のどの部分なのかを示す位置情報、誤り訂正符号などの制御情報が付加されている。
パケット通信を使うと、ある2地点間の通信に途中の回線が占有されることがなくなり、通信回線を効率良く利用することができる。また、柔軟に経路選択が行なえるため、一部に障害が出ても他の回線で代替できるという利点もある。
一定の範囲でパケット当たりのデータ量が変化する可変長パケットが主流だが、ATMは53バイトの固定長パケット(「セル」と呼ばれる)で通信を行なう。
パケット通信はアメリカ国防省の研究プロジェクトであるARPAnetで採用されたのが最初で、ARPAnetから誕生したインターネットもパケット通信網である
バッファ 【buffer】
読み方 : バッファ
複数の機器やソフトウェアの間でデータをやり取りするときに、処理速度や転送速度の差を補うためにデータを一時的に保存しておく記憶装置や記憶領域のこと。
例えば、コンピュータがプリンタにデータを送る場合、プリンタが受信したデータを紙に印刷する速度は、コンピュータとプリンタの間の通信速度よりも遥かに遅い。何も考えずにプリンタに次々データを送ってしまうと、印刷が追いつかずに途切れ途切れに印刷されてしまう。このため、プリンタの内部には半導体メモリが内蔵されており、受信したデータを一時的に蓄えておき、印刷速度にあわせて順次データを読み出して印刷を行なうようにできている。
パリティチェック 【parity check】
読み方 : パリティチェック
別名 : 奇偶検査
データ通信において、データの誤り(エラー)を検出する手法の一つ。コンピュータはすべてのデータを2進数、すなわち0と1の値の列で表現している。データを送信する側は、この値の列を一定の個数(通常は7個か8個)に区切り、その中に含まれる1(または0)の個数の偶奇(パリティビットと呼ばれる)を添付してデータを転送する。受け取った側は添付されたパリティビットと、データ中に含まれる1(または0)の個数を比較して、偶奇が合わなければデータに誤りがあると判断し、再送を要求する。1ビットのパリティビットを付加すると、奇数個の誤りが生じているかどうかが判定できる。誤り検出としてはもっともポピュラーな方法で、コンピュータ内部の回路間のデータ転送や、通信回線を使ったコンピュータ同士の通信に幅広く利用されている。
非同期 【asynchronous】
読み方 : ひどうき
クロック信号のタイミングに合わせず、任意のタイミングでデータを送信する通信方式。
クロック信号からはデータ転送のタイミングが分からないため、「スタートビット」「ストップビット」という信号をデータの両端に挿入して通信する。同期通信と比べてデータの遅延は少なくなるが、スタートビットなどの信号が必要となるため、同じ通信環境では同期通信より転送速度は若干落ちる。
プロトコル 【protocol】
読み方 : プロトコル
別名 : ネットワークプロトコル, 通信プロトコル, 通信規約, 通信手順
ネットワークを介してコンピュータ同士が通信を行なう上で、相互に決められた約束事の集合。通信手順、通信規約などと呼ばれることもある。
英語しか使えない人と日本語しか使えない人では会話ができないように、対応しているプロトコルが異なると通信することができない。
人間同士が意思疎通を行なう場合に、どの言語を使うか(日本語か英語か)、どんな媒体を使って伝達するか(電話か手紙か)、というように2つの階層に分けて考えることができるが、コンピュータ通信においても、プロトコルの役割を複数の階層に分けて考える。
階層化することによって、上位のプロトコル(を実装したソフトウェア)は自分のすぐ下のプロトコルの使い方(インターフェース)さえ知っていれば、それより下で何が起きているかをまったく気にすることなく通信を行なうことができる。電話機の操作法さえ知っていれば、電話会社の交換局で何が起きているか知らなくても電話が使えるのと同じである。
プロトコルの階層化のモデルは国際標準化機構(ISO)や国際電気通信連合(ITU)などによって7階層のOSI参照モデルとして標準化されており、これに従ってプロトコルを分類することができる。
現在インターネットで標準となっているIPは第3層(ネットワーク層)の、TCPやUDPは第4層(トランスポート層)のプロトコルであり、HTTPやFTP、SMTP、POPなどは第5層(セッション層)以上のプロトコルである。
ポートフォワーディング 【port forwarding】
読み方 : ポートフォワーディング
ローカルコンピュータの特定のポートに送られてきたデータを、別に用意した通信経路を用いてリモートコンピュータの特定ポートに送信すること。通信経路を暗号化してセキュリティを高める用途に用いられることが多いため、ほとんどの場合はssh等の暗号化技術が併用される。ポートフォワーディングが行われている最中は逆方向の通信も可能。ローカルネットワークからの接続しか許可していないサーバに対して、いったん目的のサーバと同じネットワークにあるコンピュータにログインし、内部ネットワークからの通信としてサーバに接続を要求するという形を取っている。目的のサーバが外部ネットワークからの接続を認めている場合も、相手ネットワークまでの通信経路を暗号化することで安全性の高い通信が可能になる。
マルチキャスト 【multicast】
読み方 : マルチキャスト
ネットワーク内で、複数の相手を指定して同じデータを送信すること。これに対し、不特定多数の相手に向かってデータを送信することを「ブロードキャスト」、単一のアドレスを指定して特定の相手にデータを送信することを「ユニキャスト」という。TCP/IPネットワークでは、複数のあて先を指定して一回データを送信すれば、通信経路上のルータがあて先に応じて自動的にデータを複製してくれるので、回線を圧迫することなく効率よく配信することができる。インターネットで映像配信を行なう場合などに使われる。
ルーティング 【routing】
読み方 : ルーティング
TCP/IPネットワークにおいて、目的のホストまでパケットを送信するとき、最適な経路を選択して送信すること。ネットワークの境界で、外部からのパケットを自分のネットワークにあるホストへ転送したり、自分のネットワークからのパケットを別のネットワークへ転送したりすることもルーティングと言う。ルータと呼ばれる機器がこの役目を担っている場合が多い。ルーティングは経路の情報をあらかじめネットワーク機器に設定しておくスタティックルーティングと、経路情報を動的に更新するダイナミックルーティングとにわかれる。
レイヤ 【layer】
読み方 : レイヤ
「層」を意味する単語で、グラフィックスソフトで扱われる「描画用の透明なシート」や、OSI参照モデルで規定された個々のネットワーク階層などを指す用語として用いられる。
前者は、グラフィックスソフトが扱う画像を載せる仮想的なシートで、これを何枚も重ねたり取り替えたりして、画像に要素を追加したり変化を加えたりすることができる。アニメ製作で用いられるセル画を、コンピュータ上で再現したものと考えればわかりやすい。
ソフトによっては100枚以上のレイヤーを扱えるものもあるが、扱う数に応じて必要とされるメモリも増えていく。グラフィックスソフトのユーザがメモリを大量に必要とする由縁である。
なお、バージョン4以後のNetscapeにも同様の「Webブラウザに複数の画面を重ねて表示する」機能があり、こちらもレイヤと呼ばれている。
後者は、ネットワーク対応機器の機能を7階層に分割したもので、個々の機器やソフトウェアの役割を規定している。レイヤが低いほど、電気信号の形式やケーブルなど物理的実体に近い仕様を規定しており、上位のレイヤは、データ形式や表示方式などソフトウェアや人間に近い仕様を規定する。